このサイトではJavaScriptを使用しています。ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからお使いください。 サイエンスカフェ: 微生物制御の基礎:離乳食・幼児食を題材として [講習会詳細] | テックデザイン
 
 

 

サイエンスカフェ: 
微生物制御の基礎:離乳食・幼児食を題材として

 

【日 程】 2026年2月16日(月) 9時30分~12時
【会 場】

北海道札幌市北区北10条西7丁目北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟W309教室

北海道大学 大学内貸付施設案内 人文・社会科学総合教育研究棟

【受講料】 16,000円(食品品質プロフェッショナルズ会員は13,000円)
【主催】 一般社団法人食品品質プロフェッショナルズ
こちらへお問い合わせください。
【共催】 株式会社テックデザイン
【詳細】 https://qpfs.or.jp/seminar260216b/
申し込みなどはこちらからお願いします。
【講義概要】

 食品工場における微生物制御はこれまでは一般生菌や大腸菌群を指標菌として構築されることが多かったのですが、今回はセンシティブな離乳食という商品群を製造販売しているという前提に立つことで、本来は何を指標とすべきかを再考するきっかけとしていただきます。製品に入り込まれたら困る、製造工程の中で生き延びられたら困る、(加熱があるときもあればないときもあるが)今から提供という最終調整の後に増えられたら困る、食べ残しがあった場合その保管中に増えられたら困る微生物はなにかという観点から微生物迎撃態勢を全面的に見直してみるという作業を通して真に有効な微生物制御のあり方を模索していただきます。



l    微生物の進化

  • 地球上に生命が生まれてよりこのかた、微生物は環境に馴化を続けており、地球の環境すべてにおいて微生物が観察されます。離乳食・幼児食を製造している工場の中にもさまざまな微生物が入り込んできています。

l    医療と食品での微生物分析の差異

  • 医療においては因果関係をつかむまではあきらめないという根気強い対応が前提となっているのに対して、食品では因果関係をつかめなくてもそれはそれで仕方ないといった無責任な対応が慣例となってしまっています。

l    乳幼児の食中毒の特徴

  • 乳幼児は免疫弱者です。食中毒にかかりやすいのもさることながら症状も激越化しやすいという特徴を持っています。

l  離乳食・幼児食事業者にとっての課題は

  • 前段で述べた食中毒の多くが家庭で起きており、家庭の特徴は食品安全に係る知識の不足ということに集約されています。事業者は事業者にとっての常識が家庭では通じないこともある、特殊な使用条件にさらされることもありうるということを念頭に置いて商品を設計していくことが求められます。

l  迎撃態勢の構築

  • 微生物が工程に侵入する経路を特定し、そこを集中的にモニタリングしていきます。いままでの衛生管理が工場全体をとか、工場に入ってくるものすべてをといった全面主義であったのですが、それでは意識の拡散を招いてしまい効率的な迎撃態勢の構築はできません。

l  規格基準と公定法

  • 規格基準にはアウトデートなものが多く、やはり自分で最適な規格基準を模索していく必要が出てきます。規格基準の順守を確認するための手段とされる公定法もやはりアウトデートなものであることが多く、自分なりの分析法を編み出していくことが必要となります。

l  簡易法と自分なりの工夫

  • 公定法の弱点を補うものとして簡易法があります。誰でも簡単にサンプリング、植え付け・培養ができて、呈色反応が組み込まれているため菌種の判定についても迷うことがありません。こんなに便利な簡易法なのですがどんな分析法にも短所があります。一番の短所は、使用者である我々の頭の中に自分たちの製品が安全なことを証明するものが分析であるといった間違った先入観が根付いてしまっていることです。安全証明なのだから微生物は発見されないでほしいという潜在願望といってもいいでしょう。しかし危ない兆候をできるだけ高い確度で探し出すというのが分析の本来の目的であるはずです。センシティブな乳幼児をターゲットとする離乳食・幼児食事業者にとっては特にそうあるべきでしょう。確度をあげる工夫の例をここでは紹介します。

【習得事項】

 我が国においては、食品の衛生指標として一般生菌、大腸菌群を採用したという愚策のおかげで、工場における微生物対策もまた一般生菌や大腸菌群に傾倒してしまうという無意味な方向に向かってしまっている例があまりにも多くなっています。本来であれば、食中毒を引き起こす微生物を第一義とし、食品の品質を落とす細菌類を第二義の対象としての微生物制御体系をくみ上げていくべきにもかかわらずです。

 今回はこの話題を、非常にセンシティブな離乳食・幼児食を販売する企業という仮定の下、皆さまもご苦労なさっているであろう製造委託先での生産の管理もおこなうという条件まで付けくわえてストーリーを展開していきます。一番厳しい条件群を付与することによりストーリーの現実味が増していくばかりか、そんな苦しい中でもソリューションが見つかることを体感していただき、皆さまが自社に戻ってのちに習ったことを実務で応用していく際のハードルを下げることが可能だからです。

 食品品質プロフェッショナルズがどのようなセミナーでも申し上げている、1.まず一番怖いリスク群(起こりやすいかつ起こった場合の被害が大きい)を抽出、2.そういったリスクを引き起こす微生物はどこから製品に入り込んでいるのか(微生物がプロセスへのインプットとなってしまっている経路の把握)、3.どこで入り込んでいるかが明確になれば入り込んでいる量のモニタリング、4.微生物を制御しているプロセス(CCP)があるのであれば、そのパフォーマンスのモニタリングという風にまさにHACCPの原点に回帰した手法が微生物制御にとって非常に有効であることを示します。

 

予備知識としてはベビーフード協議会の自主規格https://www.baby-food.jp/standard/pdf/foodkaku6.pdfを閲覧いただき、自分なりのご意見というものを提示いただける状態でお越し下さることを願います。また実際に離乳食・幼児食またはそれに類似する商品を製造販売なさっている企業から参加の方々には実際にどのようなトラブルやニアミスが起きているかを(社外秘に触れない範囲で結構ですので)開示いただけることを望みます。もし開示いただけるのであればセミナー参加以前に講師の広田teddyhirota@yahoo.co.jpに連絡をお願いします。事前に連絡いただけましたら講師も周到な準備をして実際例の紹介やQ&Aに臨むことが可能です。

 



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