酵素の基礎知識と食品分野での利用・実例を紹介していきます。酵素反応や物質生産、酵素利用時の注意点について理解したのちに、食品の製造・加工にどのように利用されているのかを、様々なアプリケーション事例を挙げて解説します。

食品用酵素の基本と製造・加工における機能と使い方

～反応解析・物質生産・種類と市場・アプリケーション事例～

日本獣医生命科学大学 応用生命科学部 食品科学科 教授・博士（農学） 奈良井（金山） 朝子先生

東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。日本獣医生命科学大学 助教、講師、准教授を経て、現在に至る。紅茶ポリフェノールの酵素的合成と紅茶の機能性発現機構の解明、植物性食品の貯蔵・調理過程における生化学的な成分変化を利用した有用食品素材の創出を手がけている。

Ⅰ．酵素とは何か
　1. 酵素の特性
　2. 酵素反応の利点と欠点

Ⅱ．食品分野における酵素利用の事例
　1. 食品添加物としての酵素
　2. 事例（素材の改質改善・有効活用、新規機能付与、ほか）の紹介

Ⅲ．酵素反応解析の意義
　1. 酵素反応の経過から分かること

Ⅳ．基礎的な酵素反応解析の方法
　1. ミカエリス・メンテンプロットと速度定数
　2. 酵素を阻害する成分の解析
　3. 酵素データベースの紹介      

Ⅴ．酵素利用における課題と対策
　1. 酵素の欠点を克服する対策
　2. 酵素の由来と純度に関する課題と対策

Ⅵ．酵素による物質生産の研究例
　1. アミノ酸誘導体からのペプチド合成
　2. 効率的な紅茶ポリフェノールの合成

三菱ケミカル株式会社 技術戦略本部 ウェルネス技術部 長谷川 実穂氏

Ⅰ．食品加工用酵素の基本的性質
　１．食品加工用酵素の基本的性質と製造方法
　２．食品加工用酵素の利用上の注意点

Ⅱ．食品加工用酵素の種類と市場
　１．世界市場と国内市場
　２．食品加工用酵素の種類
　３．遺伝子組み換え技術の利用

Ⅲ．食品加工時の酵素の利用_実例紹介
　１．小麦加工：製菓・製パン　　　
　２．飲料・抽出：紅茶・コーヒー・緑茶・果汁・調味料
　３．醸造
　４．畜肉・水産加工品
　５．プラントベースドフード
　６．加工食品への表示例